早いもので、お彼岸も過ぎ、桜が咲き、いつの間にか春になってしまいました。大変ご無沙汰しておりまして、申し訳ございませんが、2010年もお付き合いいただきたく、お願い申し上げます。

私事ですが、2月末から1週間、フランス・ベルギーに出張に行って参りました。仕事そのものは順調に進み、ちょっぴり市内観光も楽しみ、TGVにも乗る事が出来、色んな意味で大変有意義な出張でした。ただ、出張直前に高熱で寝込み、病み上がりだった事もあり、出張中も体調が優れず、未だに本調子に戻れておりません。人間、身体が資本と言いますが、同様に精神力も資本なんだなと、妙に感じ入る今日この頃です。

 

現業部門に「その気」になっていただく

前回までで、「仕組みの最終イメージ」を描きましたので、いよいよ実行フェーズに入ります。実行フェーズで、最初に大事なのは、「現業部門にその気になっていただく」と言う事です。業務改革の実現には、多大な「痛み」を伴います。現業部門は常に忙しく、日常業務に追われています。その中で、精神論で「やれ」と言っても、良いアウトプットは出ません。

まずは、プロジェクトの意義・目標・最終的な業務イメージを説明し、「自分のテーマ」として主体的に取り組んでいただける様に、熱意をきちっと伝え、お互いに理解できる様な、本音ベースでのディスカッションを、心がけましょう。

余談ですが、人間誰しも「押し付け」だけでは、「やらされ意識」を植え付けるだけで、主体的に動く気にはなっていただけません。一方、目的を正しく理解し、「自分のテーマ」として取り組んでいただけた場合には、積極的・意欲的な活動による、大きな成果を期待する事が出来ます。

バリエーションコントロールは、非常に難しいテーマです。モジュラー化の理論については、日野先生にお任せするとして、その理論に加え、やり遂げると言う強い意志、実現に向けた不断の努力、論理的な思考、製品知識・業務経験等、多彩な要素が揃って初めて実現できます。


「出来るプラン」を作る

「やる気」に加えて、もう一つ大事なのは、「出来るプラン」です。いくら「やる気」になっても、非現実的なプランでは、どうにもなりません。忙しい業務の中で、ソフトランディングできる仕組みが必要です。

そこで重要なのが、「その1」でご紹介した、「明確なミッションを持ったプロジェクト体制」です。この組織体で、きっちり「出来る」プランを作り上げ、それを実践する事が肝要です。また、実施タイミングも非常に重要ですし、フェイルセーフも考慮しておく必要があります。分析や方針決めはいつでも出来ますが、実際の適用は、製品開発とミートしないと進められませんし、不幸にもプロジェクトが失敗したとしても、製品開発そのもののスケジュールに影響を与えない様な、回避策も重要です。


「BOMを綺麗に流す仕組み」を作る

更に、もう一つの柱が、BOMを綺麗に流す仕組みの構築です。バリエーションコントロールを実現するためには、BOMをベースにしたトップダウンの仕組みが必要です。これは従来の図面をベースにしたボトムアップの仕組みと、全く逆の流れとなります。

バリエーションコントロールをスムーズに進めるには、前もって所謂PDMの仕組みを導入し、BOMベースでも図面ベースでも、BOMが綺麗に流れる仕組みを構築し、図面ベースで実用を開始しておくのも有効な手段です。

もちろん、ERP側でバリエーションデータを受け入れる準備も、お忘れなく。


さあ始めましょう!

「現場のやる気」「出来るプラン」「BOMを綺麗に流す仕組み」が揃ったら、後は実行あるのみです。

① 適用製品を決める。

具体的にどの製品に、バリエーションコントロールを適用するのか、決めてください。

② プロジェクト専任が中心になり、適用製品のバリエーションを具現化していく。

実設計者は非常に忙しい状況ですので、プロジェクト専任が中心になり、最初に決めた方向性に従い、どんなバリエーションの組み合わせで製品化するのかを決め、具体的にバリエーションデータを作り込んで行きましょう。この場合、従来手法の部品(図面)構成を、変更しないといけない場合が多々発生しますので、そこは設計者と調整しながら進めてください。

③ 設計者は、バリエーションを意識しつつも、従来手法で設計を進める。

バリエーションコントロールはプロジェクト専任に任せ、どの範囲に絞るのか・部品構成をどうするのか、調整しながら、従来の手法で設計を進めましょう。範囲が見えていますので、より最終製品を意識した設計が可能になるでしょう。

④ BOMとバリエーションをマッチングさせる。

設計の結果で、出来上がったBOMと、バリエーションをマッチさせ、これで一通りの設計が完成します。ここで出てきた不具合点や、必要な帳票の準備等の改善を行い、次回からは、バリエーションをメインにした、トップダウンでの流れにチャレンジしましょう。

1クッション入れた事により、ソフトランディングが可能になるのでは、ないでしょうか?

最後に

結果的に、半年以上の時間を要した連載となりましたが、バリエーションコントロールに関してのコラムは、これにて終わらせていただきます。少しでも皆様の、お役に立てますれば幸いです。

次回のテーマは、まだ決めておりませんが、引き続きお付き合いください。